佐賀新聞掲載コラム日だまり-P3

■空のイベントin佐賀  掲載日2004.06.22

今年の佐賀インターナショナルバルーンフェスタ開催期間中、スカイレジャージャパンが同時開催されるようだ。 スカイレジャージャパンとは、自家用飛行機、スカイダイビングなど、スカイレジャーの紹介、普及を目的として毎年国内のどこかで行われている。当日は、バルーン競技の間、昼の時間帯に小型飛行機のアクロバット、モーターグライダーのデモフライト、体験飛行など多くの催しが予定されている。 佐賀で行われるのは、今年で二回目、前回の一九八八年川副町での開催には、十五万人の入場者が集まった。今年も、バルーンフェスタとは別に全国からこのイベント関係者や参加者が佐賀に大勢、訪れるであろう。アクロバット飛行や体験飛行の飛行機が離発着するのは佐賀空港。相反する関係と思っていた空港とバルーン会場が、今年は、協力し合いながらのイベントになる。 準備はこれからだが、主催する佐賀市、空港のある川副町、空港を管理する佐賀県そして大会を支えるボランティアなど市民団体や全国からのお客さんを迎えいれる市民、それぞれの協力が必要だ。この大きなイベントの成功に向けて、連携しての取り組みに大いに期待したい。
(アルフデザイン代表 三原宏樹)

■佐賀の水環境  掲載日2004.5.23

佐賀低平地の水問題を考えるといった内容で「水市民講座」が先日iスクエアビルで行われた。
水問題は、環境問題と密接につながり、私たちの生活に欠かせないライフラインである。生活排水は、下水道の普及で川に流れなくなり、市街地の川はきれいになった半面、末端に及ぶ川の維持水量は不足している。
今まで水行政は、水道、河川、下水道と縦割りに区別され、業務として効率的に推進されてきた。しかしながら今日においては、環境といった切り口で、水を資源としてとらえ、地域全体をみながら、長い時間的スパンで政策を行うことが必要とされている。
現在の浄化施設での装置による水質浄化に加え、湿原やビオトープ再生によっての自然浄化を組み合わせることで、水が本来の姿を取り戻し、市街地の河川を潤わせる。こんなことが水の都市、佐賀にふさわしい姿なのであろう。
佐賀の景観や自然を守るためにも、生活者も一緒になって、水について考える時期が来ていると感じた。
(アルフデザイン代表 三原宏樹)

■柳町灯明と光のオブジェ  掲載日2004.04.27

柳町子供クラブと循誘小学校三年生の手作り灯明イベントが、今年も佐賀市のひなまつり期間中の三月二十七日、柳町まちづくり協議会主催で行われた。
約三百?の歴史街道両脇に一・五?間隔で、四百個余りの子供たちの思い思いの絵を映し出した灯明が並び、幻想的な光の光景が現れる。このイベントで私たちも、旧牛島家西隣の民家駐車場におひなさまの光のオブジェを作っている。建設現場でもらってきた設備工事用のフレキシブルダクト、こん包用スポンジシートと左官下地用のラス金網で制作した簡単なものである。
今年で二年目、年に一度、日没から二時間ほどで終わってしまうイベントなので、光るおひなさまのオブジェについては知らない人がほとんどだと思っていた。しかし今回は、このオブジェを楽しみにしていたという人が何人かおられたのには驚いた。 オブジェの前で記念写真を撮られたり、遠方から見に来ましたよ、と声をかけてくれる人がいたりする。今年も制作してよかったと、救われた一瞬であった。こんな活動が、地域に根差したまちづくりにつながればと願う。
(アルフデザイン代表 三原宏樹)

■佐賀の住環境  掲載日2004.03.30

住宅を計画する時私は、建物をデザインするというより、敷地をデザインする、というのがふさわしい。敷地のどの場所に、生活空間(家族の集まるリビングやダイニング)を位置させるかを最初に考える。その場所をいかに豊かな空間にするかということに最も多くの時間をかける。
人それぞれ、人生に対する価値観は違っているが、どうせ暮らすなら生活を粋に楽しんだ方が良いと思うのである。生活空間の天井を高くとり、木造住宅にビル用の大きなガラス窓をとったり、窓のすぐ近くに大きな落葉樹を植えたりする。
佐賀での住環境は、東京や大阪のそれより、比較にならないほど恵まれている。佐賀人の気質は、よく働き、質素な生活、我慢することが美徳のようであるが、せっかく恵まれた住環境があるのに、ほとんど使われない客間などで、生活空間を犠牲にするのは残念である。
佐賀での生活を楽しむために、この豊かな住環境をうまく利用しない手は無いといつも思いながら仕事をしている。
(アルフデザイン代表 三原宏樹)